ペリドットのジッパーをひらいて
未透過の世界
泡沫に痛みはないの
忌々しいほどの足の重さよ
泣き出す理由を空にあずけた
月暈の残像をもとめて
爛れていく喉笛
それでも、と言った声は
いつか飛び立つきみへの、最後の
不出来なパストラル
いつだって涙ばかり
さよなら野いばら
生々しく愛咬
傷口は縫い合わせない
愛するほうがいくらか楽だ
きみの手を投げ捨ててまで
白はいつか疼くだろう
痛覚だけで繋いで
病まぬ手触り
きみは嘘を誓える
オーガンジー越しの世界は滲む
笑って殺せるって知った
愛情の中の殺意
溢れる、みたいな絶望に
盲目にでもなりたい
不完全な目隠し
けれどもあなたを許せはしないのだ
夜空を食む
ラムネの苛立ちにビー球
from the god's hand
愛の言葉はスカーレットのために
羊が音符を貪る理由
空に溺れたいんだ
みがわり薬指
虫食いの楽譜
きみの特別でありたい
食べられない蝶々
お一人様ご案内
かわせないねこの孤独は
拾ってきた罵倒
嘘だけほしかった
狂えばいいよと
繰り返し責め立てる悲鳴
爛れた爪
恋の特効薬をみつけた
夢を食べてごちそうさま
流れ落ちた月経
だれがあしたをさがすの
偽善でもかまわないだろう
腐敗した恋人
縋りたいふり
背中にあの日の彼を見た
さよならを愛せない
偽り踏み潰して
望んではいけない
切り捨ててきた報い
いとけない残響
虚ろな血であがく
致死量以上をあたえてよ
くちびるから薔薇
あの子だったかもね
噛み切った血のにおい
眩暈とともに落下する
貫かれたそのあとのこと
伸びた白い爪
ピアノ線錆びついて
うずめた造花
ラズベリーパイの赤
黒服と雨
いまどこにいますか
居場所をさがしてる
つくろわぬ残酷
雨に微笑む
コールは三回、合図は二回
砂糖の味がすると吐き捨てた