神の狗
焼け跡の紅椿
あわい夢ばかりみてる
ぼくの隻眼きみの両眼
全反射が終わらない
裏側をなぞって吐露
孤独さえもかみくだく
凍てる懺悔
微笑むように落下
濡れた瞬きふたつ
体温で蹂躙
やわい唇に背骨がきしり
あの感触ばかりおもいだす
やさしいしびと
もろい骨がさらされるだけ
滲むあかつき
いじらしく笑うふり
ダ・カーポの微笑
崩れ落ちる足をさらって
絡めとる末路
祈りが力尽きるころ
膿みたいな恋心
イカロスは太陽を殺した
橙ののこした骸
うずもれるように甘美
喰らう残月
ピアニストの清濁
さよならばかり飲み込んできたよ
少年群青
つなぎとめる虹彩
溺れるならその声に
幻しか触れられない
奪われてしまいたいの
踊らないアダージョ
双黒は傷つかない
痛みさえ食らうのか
あさましいほど墜落
残像ですら赤一色
デルタの悲劇
瞬く間さえくれなかった
罠を広げて篭絡を待つ
たゆたう闇に眩む
死になるならいいのに
シベリウス曲線
もう夢だって描けない
衝動まで狂ってる
視界をふさいでしまえば
瞳を失うことの絶望
きみの歪を願う
溢れるように流れ落ちる
伸びた背中の清い弱さ
心臓ひとかけらくださいな
愛するために愛してよ
うわべだけを摘み取るひとだね
指先でねじふせて
降り積もる孤高